研究概要 |
研究の最終年にあたる本年度は,昨年度までに試作開発が進んだ干渉計について,下記の項目に重点をおいて,研究のまとめを行った. 計測再現性の向上 被検面の取り付け方による計測の再現性の向上について検討した.被検面の取り付け方法を改良し,取り付け時の固定方法による応力の付与を極力抑えた.具体的には,ミラーの3点支持を,円筒状の保持具に接着する形で実施し,固定枠による保持の際に発生しやすい応力歪みを抑制した. また,光学配置の軸外し転送の都合上,被検面から反射した波面が楕円集光→発散する点に注目し,位相シフト法による形状算出過程(データ処理プログラム)の改良を行なった.つまり,真球面の計測においても楕円面として計測されてしまうシステムエラーを解除した.この結果,形状データに重畳していた被検面形状の左右の周縁部の計測誤差が緩和され,直径200mm,曲率半径1500mmの凹面ミラーの形状計測再現性がPV値で+/-18nmまで向上できた.この値は,ミラーを計測後に取り外し,再度,向きを変えて取り付けた際の値との比較による結果であり,非常に精度の高い計測法が確立できたと言える.
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