研究概要 |
超音波パルスのドップラ効果を利用した気泡流の瞬時流速分布を計測するシステムを,土砂が混入している河川水等の環境流動計測システムに発展させ,河川や汚染水の浄化設備の高度化に資することを目的とし,以下の研究課題に取り組み,超音波流速分布計測法とRTK-GPSを用いた位置計測法を融合させることで,少数のセンサーによる河川の2次元フローマッピングシステムを構築し,小規模な河川の流速計測を行い,河川水の超音波計測の可能性と,超音波流速分布流測計の実用場への適用性を調べた結果以下のことを確認した. 1.昨年度開発したフローマッピングシステムおよび広領域流量計測ソフトウェアーを実規模の河川流やダム取水流等に適応する前に,小規模実験装置を用いて本計測システムの有効性を確かめた. 2.小規模実験装置を用いて確立した流動計測システムを実際の河川流およびダム取水流に適応し,電磁流量計を用いた計測値と比較しながら小規模流れ場監視システムの基礎を築いた. 3.昨年度行ったGPS小規模フローマッピングシステムの位置決め精度を検証する実験を,実規模の河川流で行い,得られた結果を昨年度行ったUVPのみで構成したフローマッピングシステムの結果と比較し,GPSシステムの有効性を確かめた. 4.超音波パルスの反射材としては河川水に混入している土砂等をそのまま利用するが,十分な反射信号が得られない条件での計測を鑑みて,超音波気泡発泡以外の気泡発生装置による反射体の可能性を調べる実験を行った. 5.本研究で開発する流量計測システムを実際の河川水浄化設備に取り付けて実証試験する前に,研究室規模ではなく実規模に近い大型試験装置で実証する必要があるため,昨年度までの成果を基にして,実規模大試験装置を有する外部機関の協力の下に,反射体発生装置と超音波流速分布計を持ち込み,実証試験を行う.反射体発生装置としては空気注入法と超音波気泡発泡方を用い,実用化に向けての試験データを取得した. 6.以上の結果を総括して,本研究成果をまとめた.
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