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2001 年度 実績報告書

極微細スケール実温度計測機能を有する走査型熱顕微鏡の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13555051
研究機関東京工業大学

研究代表者

中別府 修  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50227873)

研究分担者 白川辺 喜春  セイコーインスツルメンツ株式会社, 科学機器事業部, 係長(研究職)
キーワードAFM / 走査型熱顕微鏡 / 微小スケール / 温度計測 / フィードバック / 微細センサー
研究概要

本研究は,従来の走査型熱顕微鏡が受動的温度計測法により定性的熱イメージを計測しているのに対し,温度フィードバックによる能動的な温度計測手法により,試料の絶対温度を10ナノメートルの空間分解能で計測する走査型実温度顕微鏡の開発を目的とする.
本年度は,熱流束検出,加熱,温度検出の3つの機能を持つ酸化シリコン製マイクロカンチレバープローブを半導体微細加工技術を用いて製作し,自作のフィードバック回路と組み合わせ,原子間力顕微鏡上で微小スケール実温度計測システムを試作し,その計測特性を評価した.
試作したカンチレバーは長さ260μm,厚さ3μmの三角形形状であり,熱流束検出部にクロム・ニッケル作動熱電対を用いたものと,計測感度向上のため,サーモパイル構造を採用したものを製作した.フィードバック回路には,高感度計装アンプ,フィルター回路,平方根回路が組み込まれ,10Hz以下の信号には良好に応答するものが製作された.
真空環境下で異なる熱伝導率を持つ試料の実温度を計測する実験では,サーモパイル型のカンチレバーが良い性能を示し,ガラスなどの低熱伝導試料に対しても±1℃の感度で実温度を計測することが確認された.また,周期加熱された試料の温度計測試験では,カンチレバーは約50Hzの応答速度を持つことが示された.さらに,カンチレバー先端と試料の接触部の大きさを,熱流束から評価すると約20nmのスケールで接触が行われていることが示された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 鈴木孝充, 中別府修, 井上剛良: "SThM用サーマルカンチレバーの実温度計測特性"日本機械学会熱工学講演会講演論文集. No.01-9. 387-388 (2001)

  • [文献書誌] 鈴木孝充, 中別府修, 井上剛良: "走査型熱顕微鏡のための温度計測用マイクロカンチレバーの開発"第38回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 1. 325-326 (2001)

  • [文献書誌] 中別府修: "走査型熱顕微鏡による微小スケール熱計測"熱測定. Vol.28, No.1. 18-28 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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