研究課題/領域番号 |
13555052
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伏信 一慶 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50280996)
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研究分担者 |
野崎 智洋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90283283)
多田 茂 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70251650)
岡崎 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20124729)
増田 正夫 高砂熱学工業(株), 総合研究所, 主任(研究職)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 固体高分子形燃料電池 / サーモグラフィー / 可視化 / 数値計算 / 分光計測 / conjugate phenomena |
研究概要 |
固体高分子形燃料電池(PEFC)のさらなる効率向上のために熱工学的なアプローチが貢献できる課題として、セル内の水と温度分布の管理が挙げられる。本研究の目的は、様々な運転条件下でのPEFC内部の熱流動場を可視化し、得られた情報を基にPEFCの高性能化を目指すことにある。セパレータの一部に当該波長域を透過する窓材を利用することにより、(1)マイクロチャンネル内の流動状況を可視化し、(2)膜内の含水量分布は部分的に赤外光を透過するようにした後、赤外吸光により計測し、(3)温度分布はカーボン電極の低熱抵抗・高射出率を積極的に利用し、サーモトレーサによる可視化を行う。さらに、(4)運転時の膜内含水分布に関する知見を得ることも目指す。 温度分布の可視化により、運転条件にも依存するものの、流路入り口付近にホットスポットが存在することが明らかになった。これは研究者らの知る限りにおいて、世界初の観察結果である。またこの温度分布は運転条件により大きく変化することが認められ、カウンタフローでは分布の平坦化が実現可能であることも示した。また含水分布と流動状況の可視化により流路出口付近の含水量が多いこと、フラディングが生じることが認められるとともに、時間とともに含水量が変化する様子も明らかになった。これらの可視化結果と既に開発済みの数値計算コードの援用により、高効率運転のための最適運転条件探索の考え方を提示することに成功し、PEFC開発に多大な貢献をもたらす成果につながっている。
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