研究概要 |
1.乱流噴流場のノズル流体に誘起蛍光を発する成分蒸気を添加し,蛍光強度の2次元分布画像を微小時間差で得て,2枚の画像から蛍光強度むら(濃度のむら)の移動速度ベクトルを相互相関計測に算出する測定装置を構築し,実際の流れ場に適用した. 2.これに加えて,流れに微小粒子を混入し,粒子からの散乱光の2次元画像を用いて,PTV法またはPIV法により粒子の移動速度ベクトルの2次元分布を得た.このとき,誘起蛍光と粒子からのミー散乱光は波長が異なるので,区別して検出が可能となる.スカラー量(濃度)の移動から求めた流速と粒子の移動から求めた流速を比較し,本測定法を適用する際の相関関数を計算するマトリクスの大きさを固定した場合においても,PTV法によって求めた速度ベクトルとおおむね一致することを示した.また一致しない速度ベクトルはマトリクスの大きさを変化させることで改善される場合があることを示した. 3.スカラー量の移動画像から流速を求める流速測定法の有効性と精度を検証するために,大規模渦を伴う非定常噴流を対象とした数値シミュレーションにより直接得られる流速ベクトルと,それと同じ流れ場に形成される濃度むらおよび粒子むらの移動量を相互相関法から求める移動速度ベクトルとの対比として比較検討を行った.流速ベクトルと移動速度ベクトルの対応関係と渦の大きさ,むらのスケールと相互相関マトリクスの大きさとの関連性を明らかにした.
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