研究分担者 |
松木 英敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134020)
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
長南 征二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005424)
荒井 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50193058)
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
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研究概要 |
本研究はバルブ機構の簡素化を図るために形状記憶合金を用いた人工括約筋システムを開発するものであり、人工バルブ用材料,機構設計と開閉動作制御,人体への適応性及び臨床上の装着のしやすさ等様々な点から検討し,より実用的で耐久性がありかつ装着し易い人工開閉弁の実現を目指すものである.昨年度まで,管腔臓器の人工開閉弁の中でも特に人工尿道開閉弁に焦点を当てて開発を目指し,形状記憶合金をアクチュエータとする尿道開閉用人工バルブの開発を行った.本年度には,さらに直腸装着用の人工開閉弁-人工直腸バルブの開発も行った.作成した形状記憶合金の薄板からなる人工直腸バルブ及び非接触経皮的電力伝送システムを用いた動物実験及びエネルギー伝送システムの高効率化について検討を行った.得られた結果を要約すると以下のようになる. 1.形状記憶合金を用いた直腸に直接装着が可能な人工バルブの開発を行った.人工直腸を用い実験室レベルでの実験,また犬での動物実験を行い良好に開閉が可能であることが分かった. 2.コイルの角度に関わらず安定な温度情報信号の送受信が可能な温度制御装置の開発を行い,実験により形状記憶合金の温度を一定に保ちながらバルブを開放状態に維持することが確認された.また電力測定実験を行い,本システムによる消費電力の減少及び電力効率の大幅な増加が確認された.さらに,犬を用いた動物実験を行い,良好な結果が得られた.
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