研究概要 |
(1)6自由度除振制御系の検討 昨年度試作した6自由度除振実験装置を用いて,除振テーブルの持つ6自由度の運動をすべて提案する方式で除振する場合の制御系について理論的・実験的な検討を行った. (2)ユニット形除振装置の設計・試作 提案する方式の除振装置の実用化を促進するため,支持機構部をユニット化し,従来の除振装置における空気ばねのように,一つの構成部品として扱うことができる除振ユニットの設計・試作を行った.除振ユニットは,ベース,中間台,除振テーブルを構成要素としており,空気静圧リニアガイドを用いて,中間台および除振テーブルの運動を垂直方向の1自由度の並進運動に拘束した.中間台は,ベースからコイルばねによって支持した.さらに減衰特性及び剛性を調整するために,電磁石を機械式ばねと並列に設置した.また,除振テーブルの運動は,中間台に取付けたゼロパワー磁気浮上用の磁石によって制御する構造とした. (3)ユニット形除振装置の性能評価 最初に,試作したユニット形除振装置において,負の剛性を実現した.つぎに負の剛性の大きさと中間台を支持する正の剛性の大きさとをほぼ等しく設定することによって,直動外乱に対して高い剛性を持っ支持機構が実現できることを実証した.さらに,試作した除振ユニットを複数個組み合わせることによって,多自由度のアクティブ除振制御を実現し,その性能を評価した. (4)研究成果の普及 研究成果を国内外の学会で発表し,研究成果の普及を図った.
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