研究概要 |
本研究では,大規模な構造可変リンク系の順動力学を効率的に計算するアルゴリズムを開発し,それを多自由度のリンク系としてモデル化されたキャラクタ群のCGアニメーション製作に応用することにより,このような系の力学計算を効率的に行ない,ユーザのインタラクティブな操作が可能な速度での動画生成をめざしている.このような応用ではキャラクタ1体あたり通常40から50自由度程度でモデル化されるため,キャラクタ群全体では数百自由度を扱う必要がある.このような大規模なリンク系の動力学を計算するためには,従来の動力学計算法では膨大な計算量が必要となり,実際の製作作業で用いるのは非現実的であった. 平成14年度は,モーションキャプチャデータから得られる人間の運動と,研究代表者らが開発してきた構造可変リンク系の動力学計算アルゴリズムを用いて,人間とは自由度の異なるCGアニメーション(ヒューマンフィギア)の動作を生成するアルゴリズムを開発した.これは,全ての自由度の関節角データをモーションキャプチヤから得るのではなく,ある主要な点の動きに注目し,高速計算アルゴリズムを用いることで,ほぼリアルタイムの動作生成に成功している.また,この方法を用いて,約500自由度を持つ人体詳細モデルヘ応用し,筋肉の緊張や骨の動きを正確に表現するモデルの構築とその計算法を開発した.この結果からスポーツ医学や術後の運動を考慮した手術ナビゲーションヘの応用が期待される.
|