心音・呼吸音情報を用いた在宅健康診断モニタリングシステムの開発

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13555064
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 江 鐘偉 山口大学, 工学部, 教授 (60225357)
• 研究分担者: 松本 佳昭 山口県産業技術センター, 専門研究員 ; 木戸 尚治 山口大学, 工学部, 教授 (90314814) ; 松本 常男 山口大学, 医学部, 助教授 (70116755)
• キーワード: PVDFフィルム / 導電性繊維 / 電子聴診器 / LonWorks / 携帯電話 / 心肺量の計測 / インターネット / センサモジュール

研究概要

本研究では家庭内・病院内、あるいは外出時に無拘束・無意識的に心肺生体情報を計測できる薄型センサならびに生体情報管理をできるネットワークシステムの開発を目指している。センサとしては、PVDF圧電フィルムと導電性繊維を組み合わせたものを試作し、心拍ならびに呼吸を計測できることを確認する。本センサを用いることで心臓病の前兆となる不整脈を長時間にモニタすることが可能となる。また、生体情報管理ネットワークシステムは、家庭内ではLonWorks、外出時には携帯電話を利用し、生体情報をいつでもどこでも計測・記録・管理できるネットワークモニタリングシステムを考案する。
本年度では、まず、電子聴診器で捕らえた聴診音のノイズを改善するためのフィルターを設計した。また,心拍や呼吸、心電情報を同時に採集できるフィルム型センサを、導電性繊維とPVDF圧電フィルムを用いて試作し、その動作特性を実験より確認した。また、考案した生体情報管理ネットワークシステムはLonWorks(分散計測制御ネットワーク)と携帯電話を組み合わせたものとし、施設内ならびに外出中も利用できるシステムになっている。家庭内または院内では、Lonworksによる安価なローカルネットワークを構築し、iLon100よりインターネットに接続する。各種センサデバイスからの生体情報はiLon100経由でインターネットに接続しているホストコンピュータに転送され、データベース化される。これらのデータ・履歴を本人や専門医、医療サービスセンターなどがいつでも閲覧することができる。本年度では、各種センサをネットワークに接続するための信号採集転送モジュールのいくつかを試作した。今後、これらのデバイスをネットワークに接続し、インターネットによる遠隔計測と制御システムを構築する。

研究成果

• [文献書誌] Z.W.Jiang, S.Fujiwara, S.Chonan, K.Kawashima: "Development of ID-blade slicer monitoring system for cutting 12-inch silicon ingot"International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics. 15-3. 67-72 (2002)
• [文献書誌] Zhongwei JIANG, Yasutaka TAKEUCHI: "Looseness Estimation of Bolts on Truss Structure with PZT Patches"Proceedings of International Conference on Control, Automation and System. (CD-ROM). (2002)
• [文献書誌] T.Kawamura, T.Matsumoto, G.Miura, N.Matsunaga, S.Kido, Z.W.Jiang: "Evaluation of Abnormal Respiratory Sound "Crackle" Using Time-expanded Waveform and FFT Analysis"International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics. (2003)
• [文献書誌] 江 鐘偉, 竹内保隆: "圧電素子を用いたトラス型構造物のヘルスモニタリング技術(ボルトの締め付け状態の推定ならびに損傷評価指数)"日本機械学会論文集C編. 69-679. (2003)