研究分担者 |
奥平 有三 松下電工(株), 先行技術研究所, 主幹研究員
三谷 祐一朗 沼津高等工業専門学校, 機械工学科, 講師 (00280389)
飴山 恵 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
加藤 好志 (株)トーキン, 圧電デバイス事業推進本部, 技術アドバイザー(研究職)
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研究概要 |
初年度にあたり,軽量衝撃音を対象として,バイモルフ圧電素子を用いる制御システムの開発に取り組んだ.今年度の目標はバイモルフ圧電素子の機械的強度改良の製造技術,及びそれを用いた制御システムの確立であり,主として以下のような成果を得た. (1)PZTセラミックスとAlおよびNi板とのSPS(放電プラズマ装置)による接合実験を行った.本実験では、熱膨張率の差異を緩和する目的で、両材料の間に種々の割合で配合したPZT/金属混合粉をインサート材料として用いた.Al板の場合、いずれの配合のインサート材においても、接合温度:400℃、保持時間:5分、接合圧力40MPaの条件下では接合が不完全であった.一方、Ni板では、インサート材の混合比率1:1において、接合温度:800℃、保持時間:10分、接合圧力40MPaの条件下で良好な接合状態が得られた.接合状態の良否は、主として加熱保持の際の拡散の進行度合いと、冷却時の熱膨張差の緩和に留意することにより改善できる見込み.初期の段階では,PZTセラミックスに異種金属接合したバイモルフ圧電素子は入手できず,ポリエチレン板で補強した圧電素子アクチュエータを試作した.第1次モデルとして40cm×40cmの天井板にアクチュエータ/センサ各4個配置のフィードバック制御システムを構成し,振動遮断制御実験を行った.その結果,20-200Hzでは,4個の加速度センサ信号において,5-10dB低減の成果を得た.第2次モデルとして,60cm×60cmの天井板にアクチュエータ/センサ各5個配置のフィードバック制御システムを試作した.天井板として0.6mm厚さの鋼板を用いたが,この鋼板へのアクチユエータの取り付け,0.5mm厚さポリエチレン板の補強効果,などにおいて所期の効果が得られず,10-100Hzでの振動の加速度において,最大7dB程度の低減を得るに止まった.また,衝撃音評価試験装置を製作し,さらにポリエチレン板の補強により圧電素子アクチュエータの機械強度が改善されたことを把握した.これらの成果は,2001年度に2回の学術講演会で発表した.続いて,2002年7月の日本機械学会講演会でも発表の予定.
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