研究概要 |
1.ナノメートル分解能の三次元座標測定機(nano-CMM)の基本設計 この研究の仕様を満たすための基本的構造を決定した.また,最初のプロトタイプを製作し,このプロトタイプの評価をもとに,シミュレーションソフトおよび有限要素法などを用いて以下のような検討を行った. (1)測定力,摩擦力の影響による移動ステージの変形を最小にするテーブルの仕様を決定した. (2)温度変化による熱膨張の影響を考慮し,温度環境条件を決定した. (3)有限要素法により,力および温度の影響を詳細に評価した. 2.nano-CMMのプロトタイプの改良 上記の詳細設計に基づいて,低熱膨張材料を用いてnano-CMMの新しいプロトタイプを製作した. 3.nano-CMMの移動ステージの評価 製作され移動ステージに対して,以下の試験を行いその性能を評価した. (1)スケールとしてナノメートルシステム,プローブとして三次元プローブシステムを使ったシステムを評価した. (2)各軸のヨーイング,ピッチング,ローリングなどの回転の影響を調べた. (3)オプティカルフラットおよび非球面レンズの測定により,形状測定機としての能力を評価した. (4)現有の恒温室で,温度条件を種々に変更して上記の試験を行った. 以上の実験より,提案した方式の実現可能性が証明できた。
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