研究概要 |
本年度の研究成果は次の通りである。 1.ハイブリッドモデルガス遮断器の異なる過渡回復電圧分担比下における遮断性能負荷開閉器に並列接続されている過渡回復電圧分担比調整用コンデンサの値を変化させることにより,モデル器の過渡回復電圧に対して,H2封入負荷開閉器に印加される過渡回復電圧の分担比を83%,50%および17%に変化させた。遮断限界はそれぞれ1040A,1090Aおよび1160Aであり,過渡回復電圧の分担比が遮断限界に与える影響は小さいことがわかった。これの要因は,過渡回復電圧を低くしてもAir封入負荷開閉器が電流零点後の数μsの期間における熱的破壊領域で再発弧してしまうためであることがわかった。 2.ハイブリッド限流遮断システムの小型モデルの試作環境低負荷型の次世代の開閉装置として,磁束流抵抗型限流器を用いたハイブリッド限流遮断システムを検討した。ミアンダ型Bi2223バルクを用いた磁束流抵抗型限流素子および遮断部に継電器を用いて,小型の簡易ハイブリッド限流遮断装置を構成した。 3.小型簡易ハイブリッド限流遮断装置の限流遮断試験継電器が電流遮断に失敗する規模の電圧を印加した場合において,限流素子を設置することによって,遮断を成功させることができることを確認した。この要因としては,限流抵抗の発生によって,故障電流を継電器の遮断容量以下に限流したこと,また,継電器電流と回路印加電圧の位相差低減によって,過渡回復電圧上昇率を抑制したことが挙げられる。 4.限流機構部を有するハイブリッド限流遮断器の遮断課程のシミュレーションMayrアークモデルを用いて限流遮断課程を解析した。アーク時定数およびアーク損失および限流インピーダノスをパラメータにとって,遮断の成否を検討し,遮断器と組み合わせる限流器に最小限必要な限流インピーダンスの大きさを評価した。
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