• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

純電気ブレーキの安全性・信頼性評価手法

研究課題

研究課題/領域番号 13555082
研究機関工学院大学

研究代表者

曽根 悟  工学院大学, 工学部, 教授 (10010711)

研究分担者 水間 毅  独立行政法人交通安全環境研究所, 交通システム領域, 上席研究員
高野 奏  工学院大学, 工学部, 講師 (60100319)
キーワード滑走 / 回生失効 / 簡易自動運転 / 定位置停車 / 速度誤差 / ジャーク
研究概要

純電気ブレーキはその第一段階としての,電動車の電気ブレーキを停止まで用いることについては,最初の新京成電鉄に続いて小田急電鉄が新形式車に本格的に採用したのをきっかけに東急,名鉄,JR東日本など,採用に踏み切る鉄道が急速に増えている。しかし,このことは本研究がねらっていることが既に不要になって,実用化が進んでいる訳ではなく,現状は全て狭義の「純電気ブレーキ」である,通常の運転に摩擦ブレーキを使わないものではなく,広義の純電気ブレーキの一種である,停止まで電動車の電気ブレーキを使う方式であって,今後の本格的な「純電気ブレーキ」化にむけて,本研究の重要性が一層増して来たことを意味している。
本格的な純電気ブレーキの実用化に際しては,高速域でのブレーキ力の低下を前提としたブレーキ制御方法を確立すると共に,ブレーキ中に発生する可能性のある滑走に対する対策の確立が必要である。
このことに関連して確率変数である粘着現象をモデル化して滑走を再現できるシミュレーションを行って,滑走の発生位置・速度とその結果発生する過走距離との関係を求めて,以下の重要な知見を得た。つまり,停止点から遠い位置で高速時での滑走は,大きな過走につながる可能性もあるものの,停止までの範囲の制御で補償できる可能性が高く,逆に停止間際の滑走では過走距離自体も短いために,影響は少なく,通常のブレーキパラメータでは10〜20km/h程度での滑走が厳しいことが判った。このことから過走に関して安全性の高いブレーキパターンと,滑走発生後の制御方法に関しての重要な知見を得た。
一方,パルス数の少ない現行のエンコーダと,精度の高いエンコーダを用いた定点停止の比較を,純電気ブレーキ用のインバータの制御方式との関係で行った実験からその停止精度,信頼性を検証した。その結果、精度の高いエンコーダとベクトル制御のインバータとを用いることにより,停止精度は平坦部,勾配部(60%)においても,±5cm以内(平均は±5mm以内)に収まっていることが確認された。また,信頼性についても,各種試験(振動,熱,衝撃,電磁波等)を実施した結果,所定の性能が得られたことより,実使用にも耐えうると結論づけられた。
重要部分の発表を11項に示すように進めている。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 水間 毅, 新藤 亮: "空気浮上・リニア推進方式による新交通システム評価試験結果(第2報)"第13回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム論文集. 13-240. 157-160 (2001)

  • [文献書誌] 水間 毅, 新藤 亮: "Evaluation of Air Suspended LIM Driven Transit System"6th International Symposium on Magnetic Suspension Technology. 6. 345-348 (2001)

  • [文献書誌] 水間 毅, 新藤 亮, 出口 敦: "Evaluation of Air Suspended LIM Driven Transit System and Next Generation PRT"3rd International Symposium on Linear Drives for Industry Applications. 3. (2001)

  • [文献書誌] 水間 毅, 曽根 悟, 菅沼 学, 新藤 亮: "空気浮上・リニア推進方式による新交通システムの速度検出器精度の違いによる停止精度測定報告"第14回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム論文集. 14-3A02. 255-258 (2002)

  • [文献書誌] 水間 毅, 菅沼 学, 新藤 亮: "Air Suspended and LIM Propulsion and Next Generation PRT"Magnetic Levitation Vehicle conference. 2002-PP03105. 105-108 (2002)

  • [文献書誌] 曽根 悟: "回生車時代の饋電特性と絞り込み特性の再検討"電気学会交通・電気鉄道研究会. TER02-49. 13-16 (2002)

  • [文献書誌] 桐山卓也, 曽根 悟, 高野 奏: "純電気ブレーキを活用した過走余裕の少ない場合における簡易型自動運転"電気学会産業応用部門大会. No.110. 467-470 (2002)

  • [文献書誌] 曽根 悟: "純電気ブレーキの安全性・信頼性評価手法"工学院大学総合研究所年報. 9. 157 (2002)

  • [文献書誌] 曽根 悟: "Developments of high-speed trains in Japan"Symposium on R&D in Railway Engineering. 51-62 (2003)

  • [文献書誌] 桐山卓也, 曽根 悟, 高野 奏: "滑走対策を含む短過走余裕区間向け純電気ブレーキ式簡易自動運転"電気学会交通・電気鉄道研究会. TER03-16. 49-54 (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi