研究課題/領域番号 |
13555086
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宇佐美 徳隆 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20262107)
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研究分担者 |
黄 晋二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50323663)
中川 清和 山梨大学, 工学部, 教授 (40324181)
中嶋 一雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80311554)
宇治原 徹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60312641)
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (60261509)
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キーワード | シリコンゲルマニウム / 分子線エピタキシー法 / 溶質元素補給ゾーン成長法 / 歪み制御薄膜 / 変調ドーピング構造 / 二次元正孔ガス |
研究概要 |
本研究は、(1)溶質元素補給機構と成長界面温度の精密な制御機構を併せ持つ新たな結晶成長技術により、組成均一性の極めて優れたSiGeバルク単結晶を作製し、デバイス作製用のSiGe基板を供給する。(2)分子線エピタキシー法によるSiGe基板上へのエピタキシャル成長により、優れた電子物性を有する歪み制御Si系ヘテロ構造を実現する。(3)SiGe基板上歪み制御Si系ヘテロ構造に基づく、電界効果型トランジスタを試作し、その特性評価を行うことを目的としている。 本年度は、バルク結晶成長時において、「その場観察」により取り込んだ成長界面近傍の画像から、界面位置を自動認識し、常に固液界面位置(すなわち固液界面温度)を一定に保つように結晶の引き下げ速度をフィードバック制御するシステムの開発を行った。新たに作製したシステムを、SiGeバルク結晶作製に適用することにより、極めて組成均一性に優れたSiGeバルク結晶を実現することに成功した。 また、得られた結晶を基板状に加工し、分子線エピタキシー法により、歪みGe薄膜をチャンネルとするようなp型変調ドーピング構造の作製を行った。市販のGe基板と、独自のSiGe基板に同時に成長を行い、X線回折により構造評価を行ったところ、薄膜中の歪み量を、基板を変化させることにより制御可能であることを明らかにした。正孔の移動度の、バルクGeに対する優位性は観測されなかったが、基板結晶の結晶性の改善や、薄膜成長条件の最適化などにより、改善されることが期待できる。
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