研究課題/領域番号 |
13555096
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
松井 純爾 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10295751)
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研究分担者 |
木村 滋 日本電気(株), シリコンシステム研究所, 研究課長
津坂 佳幸 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20270473)
篭島 靖 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10224370)
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キーワード | X線マイクロビーム / 放射光 / 非対称ブラッグ反射 / 円筒ミラー / ゾーンプレート / 格子歪み / SOI / 薄膜 |
研究概要 |
半導体デバイスは三次元的な構造を作りながら結晶表面近傍に構築される。その際、部分酸化膜、エピタキシャル成長、配線層などを形成するために、単結晶内に局所的な歪み分布を生じる。今年度は放射光とくにアンジュレータ光源からのX線を集光光学系(非対称反射ブラッグ回折と円筒ミラーまたはゾーンプレートの組み合わせ)を用いてX線マイクロビームを形成することを試みた。その結果、非対称反射ブラッグ回折と円筒ミラーの組み合わせ光学系で1.6×2.6μm、また、非対称反射ブラッグ回折とゾーンプレートの組み合わせ光学系で1.1x1.1μm程度にまでマイクロビームサイズを縮小できた(昨年度は、非対称反射ブラッグ回折のみの光学系で5〜2μm程度であった)。いずれのマイクロビームも空間発散角の大きさは10^4ラジアン以下で、充分な平行度を維持できている。 これらの光学系を用いて、将来のLSI基板とされるSilicon-on-Insulator(SOI)結晶の表面歪み分布を測定した結果、以下のような知見を得た。 1.SOI結晶層内の結晶格子歪みは、数〜数十μm程度の周期でゆらいでおり、しかも歪みを与えている要因は主として格子面傾斜であり、格子定数変化ではないことが判明。 2.上記の結晶格子歪みは、SOI層の形成方法(大きく「貼り合わせ法」と「SIMOX法」に分かれる)とSOI層の厚みに依存していることが分かった。すなわち、貼り合わせ法SOIよりSIMOX法の方が歪みが小さく、ゆらぎの周期も大きい。 3.薄いSOIはSi高速デバイス用MOS基板として嘱望されているが、高輝度放射光X線マイクロビームによる逆格子空間内の強度マップにより、50nm程度の結晶層でも結晶性が評価できることが分かった。
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