研究課題/領域番号 |
13555097
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
清水 勝 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (30154305)
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研究分担者 |
藤森 敬和 ローム(株), 半導体デバイス研究開発部, 研究員
藤沢 浩訓 姫路工業大学, 工学部, 助手 (30285340)
丹生 博彦 姫路工業大学, 工学部, 教授 (40047618)
門倉 秀公 (株)高純度化学研究所, ファインケミカル部, 研究員
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キーワード | 低温成長 / NOCVD法 / Pb(Zr, Ti)O_3(PZT)薄膜 / 強誘電体薄膜メモリ / 段差被膜性 / PZTキャパシタ / 立体構造キャパシタ |
研究概要 |
当該年度は、研究実施計画に従い、Ir系電極薄膜の低温MOCVD成長技術の開発や得られた電極を用い、強誘電体薄膜メモリを目的としたPb(Zr,Ti)O_3(PZT)キャパシタの作製を行った。また、スパッタ法で作製したIr薄膜の特性と比較しつつ実験を行ったところ、以下の成果が得られた。 1.新規原料Ir(EtCp)(cod)を用いたMOCVD法により、250-350℃という低温で鏡面を有するIr薄膜をSiO_2/Si基板上に作製することができた。また、450℃以上で成長させるとグレイインサイズの大きい荒れた表面を有するIrO_2及びIr混合配向膜が形成された。 2.得られたIr薄膜の抵抗率は25-45μΩ・cm程度であり、スパッタ法では、同じ抵抗率や結晶性を有するIr薄膜は530℃程度でしか得られなかった。 3.得られたIr薄膜は、75-85%程度の優れた段差被覆率(ステツプカバレージ)を示した。スパッタ法では、20-25%と低段差被覆率のものしか得られず、CVD膜の優位性が確認された。 4.得られたIr薄膜はオージェ分光法で分析したところ、原料からのCを不純物として含んでおらず、その上に堆積したPZT膜の構成元素の拡散バリヤとして機能することが分かった。 5.MOCVD原料の組み合わせを最適化することで、395-485℃という低温で強誘電体PZT薄膜を得ることができた。 6.MOCVD法だけを用い、Ir/PZT/Ir/SiO_2/Si構造のキャパシタを395-485℃という低温で作製することができた。またこのキャパシタは、良好な強誘電性を示したが、分極反転疲労特性やリーク電流密度は上部Ir電極の堆積温度により大きく影響を受けた。 7.このPZTキャパシタは段差基板上にも作製することができ、良好な強誘電特性を示す立体構造キャパシタを作製することに成功した。
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