研究概要 |
1.これまで液晶パネルに対する4種類の偏光状態の透過光強度に基づくストークスパラメータを用いて,透過型液晶パネルにおける液晶層の厚み,液晶分子配向における捻れの角度等のパラメータを求める手法について研究を行ってきたが,この手法を反射型液晶パネルに適用するために解析理論をさらに発展させ,反射型液晶パネルにおけるセルパラメータを演算する理論式を導出し,さらにパネルの表面における反射の効果も含めた解析手法を確立した。 2.白色光源,種々の波長に対応する干渉フィルター,偏光子,ハーフミラー,反射型液晶パネル,バビネソレイユ補償板による1/4波長板,検光子,CCD撮像素子を用いて,近赤外の波長領域を含む多波長の光源に対する反射型液晶パネルのセルパラメータを測定し解析を行う装置を作製し,その特性を評価すると共に,解析結果について実験室的な検証を行った。 3.上記の光学測定部に,データの処理・解析部及び装置の測定制御部を統合することで,カラーフィルタに依存せずに反射型液晶パネルにおける液晶層の厚み,液晶分子配向のねじれ角,プレチルト角等のセルパラメータを二次元分布で同時測定し,その結果を立体画像で表示する装置を構成することができた。 4.本研究において構成した反射型液晶パネルにおけるセルパラメータ解析装置を実用されている反射型液晶パネルに適用することで,具体的な問題点等について考察を加えると共に,特性のさらなる改善のための指針を得ることができた。 5.以上の研究結果を取りまとめ,問題点や改善すべき点等について検討し,次年度に向けて特性の二次評価を行った。
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