研究概要 |
本年度は,以下の点について研究を実施した. 1 4インチ基板上での均一なコア膜作製: 長尺な光導波路を作製して正確なアンプ素子としての評価をするために,昨年度に引き続いて4インチ基板上にアンプコア膜を作製し,そのEr発光強度等の均一性評価を行った.昨年度もEr発光強度の均一性自体はある程度得られていたが,その際の発光強度が低下していた.今年度は特にターゲットの組成比を詳細に検討し,重要なパラメーターであるErの発光強度を保ったまま,その分布を大幅に改善する事ができた.また膜厚分布についても,十分な均一性が得られた.この結果,光回路として少なくとも3cm×9cmの範囲で,デバイス評価に必要な均一性を確保できた. 2 コア膜加工条件の検討: 滑らかな加工形状を持つコア膜のRIE(Reactive Ion Etching)加工条件について検討した.金属等のマスクに置き換える事なく,標準的なポジ型フォトレジストをRIE用マスクとして用い,RIEにより,5μm深さで十分エッジのなめらかな加工条件を確立した. 3 リッジ型アンプ素子作製と導波特性の評価 Siナノ結晶内のエキシトンによる光導波損失の評価を目的として,まずErの添加されていないSiナノ結晶添加SiO_2膜の光導波測定を行った.まだ十分確定的な結果は出ていないが,エキシトンによる光吸収に差が出る条件で作製した2種類のコア膜について,光導波損失の差が測定できた.また,アンプコア膜の正確な光導波特性評価を目的として,リッジ型アンプ素子の製作を進めており,4μm厚さのコア膜を2μm深さまでエッチングし,試料の製作を完了した.
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