研究概要 |
研究実施計画に従って研究を遂行し,これまでに以下の結果を得た. 1.小型のCCDカメラとPCクラスタを用いて,16台分の映像情報をリアルタイムで取得・処理するシステムを構築した. 2.交差点,駐車場等からなる交通環境の1/24ジオラマを構築し,それを用いて道路上の定点カメラや各車両に搭載された車載カメラを擬似的に実現し,様々な視点からの実写映像情報を取得,蓄積した. 3.多数の視点からの映像情報を統合・再構築して運転者にとって分かり易い画像の形で呈示するHIR(Human-Oriented Information Restructuring)システムの基礎検討を行った. 4.HIRシステムの一例として,2次元射影変換と車の高さ推定を組み合わせた任意視点映像生成アルゴリズムを開発し,任意の視点からの交差点俯瞰画像を生成する「鳥瞰図生成システム」を構築した. 5.鳥瞰図生成システムにおいて,PCクラスタでの映像取得のタイミング制御,各PC間での通信制御,処理のスケジューリングについて研究し,システムの高速化を実現した.160x120の画像サイズで毎秒10フレームの速度で鳥瞰図を生成することに成功した. 6.交差点右折時の運転者補助画像として,対向右折車の後部に取り付けたカメラ情報を処理し,死角となっている対向直進車を抽出し,運転者に呈示するシステムを構築した. 7.対向直進車の抽出法として,信号機に取り付けたインフラカメラ画像と対向右折車の後部に取り付けたカメラ画像のそれぞれについて,背景差分法,2フレーム間差分法,3フレーム間差分法の3種類の方法を検討し,主観評価実験による比較を行った.その結果,対向右折車の後部に取り付けたカメラ画像の方がMOS値で2程度高く,呈示する動画像の速度を上げるより抽出精度を高くする方がMOS値が高くなる傾向があることが分かった.
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