研究課題
OSの適不適は、それを使ったシステムの機能・性能ならびにプログラム開発の難易度を大きく左右する。特に制御システム等の分野では、要求条件が多様、頻繁なハードウェア制御、融通性の高い分散処理が必要などのため、汎用OSでは不十分であり、適切なOSが求められている。これに答えるために、以下を特徴とするOSの研究を行っている。(1)要求に応じて独立モジュールをプラグインすることで容易に機能追加を可能とする。(2)プロセッサ存部階層(マイクロカーネル)、OSサービス階層(サーバー階層)、APL階層からなり、各機能はメッセージでのみやり取りする強固なモジュール構造。(3)融通性の高い分散処理・広域連携処理のサポート。プロセッサ制御を行うマイクロカーネルには、Karlsruhe大学(独)で設計されたL4-kaを採用した。その上に論理メモリ管理機構、ファイル機能、ネットワーク機能などをそれぞれ独立したユーザレベルプロセスとして構築ししつつある。強固なモジュール化にも関わらず、性能低下は十分少ないことが実測された。なお、ソースプログラムはhttp://katsura.ex.nii.ac.jp/〜H2Oで公開している。
すべて その他
すべて 文献書誌 (2件)