研究概要 |
音響診断の実用化を目指して,本研究では動的な環境に適応できる能力を持つ音響診断システムの開発を目的とした.具体的には,モジュール構造の「診断ネットワーク」の診断能力を長期間の実験により,安定した診断を行うために配管からのガス漏洩音の検出を対象として,音響信号の特徴抽出方法に遺伝アルゴリズムや独立成分分析などの適用を検討・評価した.さらに,カーネル法による識別方法の適用可能性を評価した. ○漏洩音の特徴抽出 特徴抽出方法として,進化的な特徴抽出方法や独立成分分析による抽出方法を検討した.数字パターンや評価用のデータベースなどに対する評価や石油精製プラントで収集したガス漏洩音などに適用して評価したところ,良好な結果が得られた. ○カーネル法による識別方法 良好な汎化能力が得られることが期待できるカーネル法やマージン最大化などを用いた識別方法を遺伝子発現データなどに対して評価した.カーネル主成分分析やマージン最大化に基づく進化的特徴抽出などは有効であることが示された. ○ブラインドデコンボリューション 複数マイクから種々の特徴を分離するためには,音響信号のブラインドデコンボリューションが必要であるので,その基礎的な検討を生体信号に対して行った.得られた結果より,開発したアルゴリズムは有効であることが示された.
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