本研究は、3次元イメージングの基本原理を光線の波動的振舞いと共焦点結像の光学的原理の効果的融合に求め、技術的にはWDM技術と2次元アレイ状の並列処理技術の融合によって、最終的に超高速の3次元マイクロイメージング機能の実現を目指すものであり、並列光デバイス技術、回折光学技術、集積回路等の要素技術の原理的・技術的限界を見極めつつ、全体システムのアーキテクチャを考案し、必要な要素技術への要求を導く必要がある。言い換えれば全体システムのための基本アーキテクチャとともに、基本的な要素技術を着実に押さえていくことが重要である。特に超高速性を得るための基本構造である並列処理が、光学システムに対して新しい条件を突きつける。例えば並列性を想定しない通常の顕微鏡光学系において軸外から出射したレーザ光は受光面において適正に結像しない。すなわち、出射面及び受光面の並列デバイスのみでは超並列性は達成し得ない。そこで本研究では特にシステム並列性を前提とした光学システムに関し、アライメントの問題、光学系の設計の問題、データ処理系の問題、について中心的に取り扱った。具体的成果として、超並列光システムのための適応的制御技術としてのアクティブアライメント技術、面発光レーザアレイ等による超並列性を想定した共焦点光学系の最適設計及びその実装、受光機能と処理機能をチップ上に集積したコンピュテーショナルセンサを用いる光計測、等の成果を得た。
|