研究概要 |
本年度の検討の結果より,以下の新たな知見が得られた. 1.塩化物イオン浸透抑制効果の観点から,土中鉄筋コンクリート部材のひび割れ補修に対する電着工法の適用可能性が示された. 2.地中鉄筋コンクリート部材のひび割れ閉塞,およびそれに伴う塩化物イオン浸透抑制効果が確認された.例えば,外部溶液種類として硫酸亜鉛水溶液を用いた場合,14日間の通電でひび割れ表面は完全に閉塞され,電着による補修以前における無ひび割れ部での塩化物イオン浸透性よりも抑制された. 3.陸上鉄筋コンクリート部材および地中鉄筋コンクリート部材の何れに電着した場合も,ひび割れ表面は完全に電着物により閉塞された.一方,陸上鉄筋コンクリート部材と比較して,地中鉄筋コンクリート部材に電着した場合,閉塞深さは浅いことが確認された. 4.陸上鉄筋コンクリート部材における漏水しているひび割れに対する電着工法の適用可能性が示された.特に,電着することにより,ひび割れの閉塞,止水効果ならびに内部鉄筋の腐食抑制効果が得られることが確認された. 5.外部溶液種類として酢酸マグネシウム水溶液を用いた場合,陸上鉄筋コンクリート部材における漏水しているひび割れ補修に対する最適な電着条件として以下に示す条件が選定された. 外部溶液濃度:0.50mol/l 電流密度:2.0A/m^2
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