研究分担者 |
松尾 真紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30302946)
西田 孝弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10345358)
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
宮里 心一 金沢工業大学, 土木工学科, 講師 (60302949)
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研究概要 |
1.鉄筋コンクリート部材に対する電着機構について,濃度の上昇に伴うイオンの析出現象(化学的要因)と電着通電に伴うイオンの移動現象(電気化学的要因)を区別し検討した.その結果,既往の研究では不明確であった電着機構が解明された. 2.陸上鉄筋コンクリート部材および地中鉄筋コンクリート部材の何れに電着した場合も,ひび割れ表面は,完全に電着物により閉塞された. 3.陸上鉄筋コンクリート部材と比較して地中鉄筋コンクリート部材に電着した場合,閉塞深さは浅いことが確認された. 4.陸上鉄筋コンクリート部材における漏水しているひび割れに対する電着工法の適用可能性が示された.特に電着することにより,ひび割れの閉塞,止水効果ならびに内部鉄筋の腐食抑制効果が得られることが確認された. 5.これまで未検討であった電着補修した後の陸上鉄筋コンクリート部材の耐久性に関して検討を行った.その結果,電着補修後2年間屋外暴露した後でも電着補修の効果は保たれることが確認された. 6.中性化された実部材に対し電着補修した場合,コンクリートは再アルカリ化され,電着補修後2年間屋外暴露した後でもその効果は保たれることが確認された.さらに,電着補修による実部材の中性化抑制効果の向上が確認された. 7.電着補修後2年間屋外暴露した後でも部材中鉄筋の腐食抑制効果は保たれることが確認された. 8.コールドジョイントでの鉄筋腐食に対し,腐食速度抑制工法を提案した.その結果,本論文の実験範囲内では,中性化した鉄筋コンクリート部材における打継ぎ部での鉄筋腐食速度のように局所的に鉄筋腐食速度が大きくなる場合,その部分の腐食要因物質の浸透抑制のみならず,コンクリートの再アルカリ化も期待できる電着工法を適用することが望ましいことが確認された.
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