研究概要 |
交付申請書でも述べたように,今期の研究計画は名古屋市及びその近郊におけるコンクリート製高架橋構造物を逐次調査するための戦略を立てることと,実際の数値振動台を構築するための理論を拡充することであった. まず理論の拡充については,高架橋構造物のような離散型のシステムに対する半無限境界の構築について,基本的なところに立ち返って検討を行い周波数領域での境界構築にほぼ成功した.大変おもしろい結果が得られており,線形システムである限りどのような複雑な離散形であっても,半無限境界の構築が可能となった. ついで,多数の橋脚を同時に取り扱って動的な応答を求める非線形解析については,flexibility法を用いて,2軸曲げ+変動軸力を受ける場合であっても簡単な1要素で表現が可能なような解析手法をほぼ完成させた. 次に,地震計の設置による実測計画については,地震計設置場所をどのように敷設移動させるかが重要なのであるが,名古屋市南部地域の地盤条件の悪いところから,順次設置移動するのが良いと言うことになった. 実際の高架橋については,コンクリート橋脚と同時に上部工もコンクリート製の所をまず第1候補と現在名古屋高速道路公社,道路公団と設置を打ち合わせている最中である. 出来るだけ,効率かつ重要なデータが得られるように地震計の最適な配置,台数などを検討し,間もなく実施に移せると考えている.
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