研究概要 |
平成13年度においては,以下の課題について研究を推進した. 1.三次元線形化欠陥形状再構成法の基盤部の開発 (1)散乱振幅を計測し,三次元欠陥形状を再構成する逆散乱法を定式化した.ここでは,計測との対応を考慮し,使用するセンサーのビーム特性と周波数帯域特性を採り入れた欠陥形状再構成システムとした. (2)面状欠陥と体積型欠陥の識別機能を有する形状再構成システムとした.このために,高周波数域近似と低周波数域近似に基づいた2種類の線形化逆散乱式を組み込んだ. (3)高速化を図るために,FFTを活用した画像データ処理のアルゴリズムを形状再構成システムに採り入れた. 2.散乱波形計測との対応を考慮した三次元均質化法の開発 (1)非均質材料の組成を考慮して均質化法の三次元への拡張を図り,非均質材料と等価な弾性定数が推定可能となった. (2)コンクリートや複合材料等の実際の土木構造材料に対して均質化法を適用するために,ミクロ構造の三次元画像からモデルを生成するシステムを構築した. (3)散乱波計測との対応を考慮して,ミクロ構造領域の適切な大きさについての基礎検討を行った. 3.低周波数域センサーの開発と波形計測 (1)フェライト製コアの縦振動を利用した100kHz域磁歪センサーを試作した. (2)セメントペースト供試体により,ここで試作した磁歪センサーを用いて超音波の送・受信を行い,受信波形の周波数特性を調べた結果,圧電型(狭帯域)センサーとほぼ同程度の帯域特性を有していることがわかった.
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