研究概要 |
本年度の研究実績 (1)既往研究において非線形履歴挙動の認識に対して構築されたニューラルネットワークを整理して,特に入力層に与える情報の一般化を図った。また,ニューラルネットワークの学習アルゴリズムに関する最新の文献等の調査研究を実施した。これらの結果に基づき非線形履歴挙動認識プログラムの開発を行った。具体的には階層型のネットワーク構造の決定,情報として与える入力層ユニットの選定,教師データの作成プログラムの検討を行った. (2)開発した非線形履歴挙動認識プログラムの適用性を検証した。具体的には,複数の非線形性が顕著な数学モデルを選定し,解析的に得られた教師データに基づく履歴挙動の認識テストを行った。これらの結果に基づきプログラムの適用性を解析的に検証した。 (3)開発した非線形履歴挙動認識プログラムの実現象に対する適用性を検証した。このため,ネットワークの学習に際して必要となる教師データを取得するための試験計画を立案して予備実験を実施した。具体的には大地震時の橋梁の挙動を想定して,顕著な非線形挙動を示す免震支承の模型を用いて静的および動的な正弦波載荷実験およびランダム波載荷実験を行った。試験より得られた非線形の荷重-変位関係等のデータを教師データおよび検証用のデータとして利用する。この実験の実施にあたって今年度の予算で導入した20kNハイブリッドアクチュエータを使用した. 平成13年度に行った研究のうちネットワークの構築および評価を松田,大塚,山本が分担して行い,正弦波載荷実験計画の立案・実施およびランダム波載荷実験計画の立案・実施を松田,矢葺が分担して行った。
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