研究課題/領域番号 |
13555147
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
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研究分担者 |
片山 浩之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (00302779)
大瀧 雅寛 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (70272367)
三谷 啓志 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70181922)
鈴木 譲 独立行政法人土木研究所, 材料地盤研究グループ, 上席研究員 (20231376)
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キーワード | 紫外線消毒 / 光回復 / 大腸菌 / クリプトスポリジウム / レジオネラ / 低圧水銀ランプ / 中圧水銀ランプ |
研究概要 |
紫外線を用いた水処理に関するこれまでの歴史と日米欧における現況、および、その長所についてレビューを行なった。とりわけ、塩素耐性の強いウイルスや寄生虫オーシストに対して紫外線処理が優れた消毒効果を示す一方で、紫外線で不活化された微生物が光回復などにより生残性を取り戻す現象に関する研究の必要性を明らかにした。 核酸塩基上のピリミジン二量体を定量する手法であるエンドヌクレアーゼセンシティブアッセイ(ESS)法、紫外線線量率の測定法およびその他の実験方法について、水中微生物に対して定量的に適用する手法を開発した。その結果、クリプトスポリジウムおよび大腸菌の紫外線による不活化とその光回復について、ESS法および培養法によって実験的に検討し、クリプトスポリジウムはピリミジン二量体を修復するものの感染力を回復しないことを明らかにした。 紫外線の波長による不活化効果および光回復抑制効果を調べるため、低圧水銀ランプと中圧水銀ランプを光源とした紫外線消毒における光回復について調べた。大腸菌を用いた場合、中圧水銀ランプを用いて99.9%不活化した場合には光回復が見られず、低圧紫外線と異なることを示した。紫外線を波長分画するフィルターを用い、中圧ランプを光源とした不活化およびその後の光回復について、ESS法および培養法の結果についても定量的に考察を加えた。また、微生物の種類による紫外線耐性についての知見として、ESS法と培養法を用いて評価した結果、大腸菌とは異なり、レジオネラは中圧紫外線で不活化された後にも光回復能を有することを明らかにした。
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