研究課題/領域番号 |
13555156
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大森 博司 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90092387)
|
研究分担者 |
小田 憲史 (株)太陽工業, 技術部・部長
南 宏和 (株)太陽工業, 空間技術研究所, 所長
呉 明児 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (90314046)
|
キーワード | 膜構造 / 張力 / 張力測定装置 / 非接触測定 / 維持管理 / レーザー変位形 / 音波加振 / 二軸引張装置 |
研究概要 |
膜構造物の張力測定装置の開発を行うために、2種類の試作器を製作し、その性能について調査検討を行った。 音源としてファンクションジェネレータと小型スピーカー、変位測定部には非接触レーザー変位計を用い、これらをアクリル製の箱形容器内に取り付けた第一世代試作器を箱のアスペクト比を変化させて3種類、3体製作した。膜材料の二方向に異なる張力を導入する必要があるため、(株)太陽工業空間技術研究所の二軸引張装置を借用して上記の試作装置の性能の検討を行った。振動数を0Hzから300Hzまで連続的に変化させることにより膜面をスイープ加振し、非接触レーザー変位計を用いて膜面の共振挙動を測定した。結果の検討は理論的に予測される張力と実際に膜に導入されている張力を直接比較することにより行った。その結果、箱の内部に閉じこめられた空気が膜の振動に大きく影響し、特に低振動数領域で理論値と測定値に大きな差異が生じることがわかったので、この影響をできるだけ排除するためにアクリル製の箱上部を開放した第二世代試作器を新たに製作し、これについて上記と同じような実験を行った。その結果、低振動数領域における理論値と実験値の差異はなくなったが、やや高振動数領域で両者にまだ最大で40%程度の差異が見られることがわかった。 この差異は従来のものに比べればかなりの改良であるが、さらに精度を上げることを目指して、今後は音源と非接触変位測定部分を取り囲む箱の部分をフレームに置き換えて、内部の空気の影響を取り除いた第三世代の試作器を製作し、測定精度の向上をはかる予定である。
|