研究分担者 |
羽山 広文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80301935)
郡 公子 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20153504)
吉田 治典 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00144337)
長井 達夫 大阪市立大学, 生活科学研究科, 講師 (00316001)
野部 達夫 工学院大学, 工学部, 助教授 (40338273)
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研究概要 |
温風暖房の歴史は古く13世紀に実現している.一方冷房の技術は,それ程古くはなく1920年代にアメリカの映画館,デパート,事務所建築に使用されてから約80年の成長を遂げている程度である.ごく最近になっての特徴は,建築と融合したシステムの登場である.ただ一つ床暖房だけは建築融合システムであり1906年にイギリスで提案された古い歴史をもっている.しかし適用空間は特殊なものであった.建築融合システムにおいては,設計の初期段階から建築家との綿密な打ち合わせが必要となるし,設備を付帯設備と云っていた時代には到底不可能な空間創りが可能となる.室内負荷の減少,改善も図れるので,室内環境も良くなっている.融合建築の登場の理由は,最近の設計におけるコンピュータ技術の発展,建築家による大空間,ガラス建築などの新しい空間作りへの対応,建築計画原論的発想の躯体への仕掛け作りなどが原因ではなかろうか.設備的対応と建築計画原論的対応の両者が必要になってきているのである. そこで本研究では,新しい空調システムの設計に対して如何に効率よく対処すべきかについて幅広く検討した.電力平準化にとって重要な深夜電力利用の観点と室内環境の改良につながる躯体蓄熱冷房システムの設計法についての研究,天井付設コイル・冷却パネルによる自然冷却効果の研究,タスク空調の性能評価,種々の新しい窓システムに対する設計値の提案,アースチューブと自然通風を併用した空調システム,空調システムの最適運転法に関する研究,建築・空調システムを総合したシミュレーション法に関する研究,コミッショニングを意識した設計法に関する研究,ベクトル線図を利用した設計計画法に関する研究,空調システムの信頼性評価法などについて研究を行った.
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