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2002 年度 実績報告書

メタ磁性転移を利用した巨大磁歪材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13555168
研究機関東北大学

研究代表者

深道 和明  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)

研究分担者 藤田 麻哉  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10323073)
キーワード磁気体積効果 / 磁歪材料 / 水素吸収 / 遍歴電子メタ磁性転移
研究概要

本年度は、巨大磁気体積効果を示すLa(Fe_XSi_<1-X>)_<13>遍歴電子メタ磁性化合物の磁歪材料への応用を目的としたキュリー温度の制御について、前年度よりさらに精度を挙げることを試みた。本化合物はキュリー温度直上においては、弱磁場の印加によりメタ磁性転移を生じ、磁気体積効果により1.5%程度の巨大等方性磁歪が転移に由来して発生する。このため、前年度は、水素吸収に着目し、キュリー温度の上昇・制御により室温近傍でメタ磁転移を発生させることに成功した。しかし、水素の濃度制御が不完全であり、キュリー温度の極近傍では強磁性を示す部分が残るため、1T以下の弱磁場での転移がブロードになり、大きな磁歪が得られないことが問題であった。この点を解決するため、一回の熱処理バッチ中で、水素吸収プロセス後に水素拡散プロセスが十分進行する条件を吟味した。この結果、室温で、1T以下の磁場に対しても十分な磁歪の応答が得られた。
さらに、本年度は、La(Fe_XSi_<1-X>)_<13>の磁歪特性とFe濃度の関係についても検討した。これまで、Fe濃度の増加により、転移に伴う磁気モーメントの変化が憎加するため、低温での磁歪特性は増加する一方で、キュリー温度が低下するため、キュリー温度を室温に上昇させる目的とは合い入れない部分があった。しかし、本研究で用いた水素吸収法によれば、キュリー温度は最高で室温を越える330K程度まで上昇させることが可能であるので、より大きな磁歪特性を示すFe高濃度の試料でもキュリー温度を室温まで上昇できる可能性がある。本年度はx=0.89および0.90の試料に水素吸収を行い、これまでのx=0.88の結果を上回る磁歪特性が得られる兆候を得た。これを踏まえ、今後、より大きな磁歪を示す材料開発を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 藤田麻哉 他: "遍歴電子メタ磁性La(Fe_XSi_<1-X>)_<13>化合物の巨大な磁気体積効果および磁気熱量効果"日本金属学会 まてりあ. 41・4. 269-275 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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