研究課題/領域番号 |
13555175
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
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研究分担者 |
牛島 均 矢崎部品, 部材開発事業部, リーダー
兵頭 健生 長崎大学, 工学部, 助手 (70295096)
清水 康博 長崎大学, 生産科学研究科, 助教授 (20150518)
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キーワード | アルミナ / PMMA / シリカ / メカノフュージョン / 中空粒子 / 熱分解 / 硝酸アルミニウム / 超音波噴霧 |
研究概要 |
本年度は、メカノフュージョン法および超音波噴霧-熱分解法によりアルミナ中空粒子の調製を試みた。 (1)メカノフュージョンによるアルミナ中空粒子の調製 粒径が約10μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)球状粒子にアルミナ粒子(粒径:約0.2μm)および微量のシリカ粉末(粒径:約11nm)を添加してメカノフュージョンシステムにより複合化したところ、PMMA粒子にアルミナ(+シリカ)が均一にコーティングされた複合粒子を調整できた。さらに、これを焼成してPMMAを除去することにより、アルミナ中空粒子(直径:約30μm、壁厚:2-3nm)が得られることを確認した。その際、焼成時の昇温過程のコントロールがアルミナ粒子の完全中空化に重要であること、すなわち、できるだけ速く昇温してPMMAを速やかにガス化することによりマクロ孔のない完全なアルミナ中空体が得られることを明らかにした。 (2)超音波噴霧-熱分解法によるアルミナ中空粒子の調製 硝酸アルミニウム水溶液に2.3MHzの超音波を照射してミクロンオーダーの液滴を生成させたのち電気炉(約1300℃)に挿入して熱分解することにより、球状アルミナ粒子(直径:数10nm〜数μm)を調製した。TEM観察の結果、粒径がサブミクロン以上の球状アルミナ粒子のほぼ全てが中空体であることが確認できたが、1300℃で再焼成すると約1μmの粒子のみが安定にα-アルミナ中空体として存在することが分かった。一方、サブミクロン以下の粒子は、噴霧-熱分解直後は中空体とは確認できなかったが、再焼成後の粒子をTEM観察した結果、壁厚は厚いものの明らかに中空体であることが確認できた。一方、原料は酢酸アルミニウム水溶液を用いると、噴霧-熱分解により得られた粒子のほとんどが中空体であることが確認できたが、壁厚が非常に薄いために、再焼成するとほとんどの中空体が破壊されることが分かった。
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