研究課題/領域番号 |
13555186
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高島 和希 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (60163193)
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研究分担者 |
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00311663)
下条 雅幸 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00242313)
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
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キーワード | バイオマイクロマシン / MEMS / 微小試験片 / 腐食疲労 / 疲労寿命 / 材料評価 / アモルファス合金 / ステンレス鋼 |
研究概要 |
医療用を目的としたバイオマイクロマシンやBio-MEMSは、人体への負担が小さい検査治療法として、また遺伝子診断・治療技術として、今後大きな発展が期待されている。このようなバイオマイクロマシンは、体内で使用されるため、腐食環境下における機械的性質、とりわけ耐久性や疲労特性を評価することが実用化へ向けてきわめて重要となってくる。しかしながら、腐食環境下における微小試験片用の試験装置は存在せず、試験装置そのものを開発する必要がある。そこで本研究では、ミクロンサイズの超微小試験片に対する腐食疲労試験装置の開発を行い、実際に腐食疲労試験が行えることを確認する。上記の研究目的を達成するために、平成13年度において、微小試験片用腐食疲労試験装置の開発を行うとともに、本装置によりミクロンサイズの超微小試験片に対して疲労試験が行えることを確認した。そこで、平成14年度においては、開発した装置を用いて、腐食疲労試験を行った。まず、研究代表者らがこれまで用いてきたNi-Pアモルファス合金微小試験片の片持ち梁試験片(10μm×10μm×50μm)を用いて生理食塩水中で腐食疲労試験を行った。その結果、大気中では疲労破壊が起こらない荷重条件下においても、腐食環境下では、きわめて短時間で腐食疲労を起こすことを確認した。そこで、バイオマイクロマシンの候補材料であるオーステナイトステンレス鋼についても、ミクロンサイズ試験片について腐食疲労試験を行い、アモルファス合金の場合と同様の結果を得た。上記の結果は、試験片のサイズがミクロンサイズになると、比表面積がきわめて大きくなり、通常サイズの材料よりも腐食の影響を受けやすくなったためと考えられ、今後のバイオマイクロマシンの開発においては、この点を考慮する必要がある。
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