研究課題/領域番号 |
13555195
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
北田 正弘 東京芸術大学, 美術研究科, 教授 (70293032)
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研究分担者 |
鈴木 雄一 古川電工(株), 横浜研究所, 所長
紀平 寛 新日本製鉄(株), 技術本部・主管研究員
水流 徹 東京工業大学, 工学研究科, 教授 (20092562)
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キーワード | 金属薄膜 / 環境 / 評価法 / 反射率 / 腐食 / 装置開発 |
研究概要 |
前年度に引き続き、金属薄膜を使用した環境評価の実験的研究と評価を簡易に行うための評価装置の開発を進めた。 (1)金属薄膜を使用した環境評価の実験的研究では、薄膜の腐食に及ぼす種々の物理科学的効果を検討した。風の影響では、金属薄膜の表面に当たる空気の速度を0〜5m/secまで変化させた結果、風速と腐食による反射率の低下との間に直線関係が存在することを見出した。また、金属薄膜表面と空気の当たる角度を変化させた場合も反射率が変化することを見出した。これらの効果は、金属薄膜表面に単位時間に衝突する腐食性の原子数が変わることによる。したがって、腐食環境として、屋外の風はもとより、室内の空調機の影響なども考慮しなければならない。年間を通しての大気による金属薄膜の腐食では、温度と湿度の年間変化とよく一致する。この他、同一場所における昼夜の変化、これの季節変化、場所による変化などを研究し、反射率による評価が有効なことを示した。 (2)本法の反射率の評価は分光光度計で測定しているが、これは装置が大きく高価であり、本法を普及するには、安価および簡便さの点でに問題がある。このため、小型で安価な反射率測定装置の開発を行った。光源には定電流駆動の白色発光素子、反射光測定には受光素子を用い、30°斜め反射とした。受光素子の出力電圧はデジタル変換し、2.5桁の表示とした。分光光度計との比較をした結果、評価に十分に使用できることを明らかにした。価格は分光光度計の数10分の1、重量は1kg以下、掌上に乗る寸法にできた。これについては、1件(合計3件)の特許を申請した。 本年度は本補助金研究の最終年であり、研究成果報告書としてまとめた。
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