研究課題/領域番号 |
13555208
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
近藤 昭彦 神戸大学, 工学部, 代表取締役社長(研究職) (40205547)
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研究分担者 |
野田 秀雄 関西化学機械製株式会社, 代表取締役社長(研究職)
福田 秀樹 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (30263396)
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キーワード | バイオディーゼル / 環境調和型 / メタノリシス反応 / リパーゼ / 細胞工場 / 菌体触媒 / 固定化 / バイオリアクター |
研究概要 |
資源循環および環境保全の観点から、廃油(トリグリセリド)をメタノールと反応させて、硫黄等を含まないクリーンな燃料であるメチルエステル(バイオディーゼル燃料)に変換する(メタノリシス反応)プロセスを構築することが強く望まれている。我々は、Rizopus oryzaeリパーゼ(ROL)が、適当量の水分存在下においては、無溶媒系において効率的に植物油とメタノールから量論的にメチルエステル合成を触媒することを見出した。しかしながら、バイオディーゼル燃料生産を実用化するためには、生産コストを下げることが必須である。そこで、より安価にバイオディーゼル燃料を生産するために、リパーゼを微生物菌体内および菌体表面に大量発現させて、菌体を直接酵素剤(微生物菌体触媒)として利用する手法を確立し、環境適合型のバイオディーゼル燃料生産プロセスを確立することを目指した。本年度は、微生物において発現させて無溶媒系でのメタノリシス反応を行うのに適したリパーゼであるROLの反応機構を解明すると共に、分子進化工学的な手法により、ROLのメタノール耐性および活性のさらなる向上を図った。有機溶媒中でのリパーゼの安定性、反応性及び反応速度の解析は数多く研究が行われているが、無溶媒系での反応特性解析は、ほとんどなされていない。そこでまずROLを用いて、無溶媒系でのメタノリシス反応メカニズムの検討を行い、反応の律速段階を明確にした。反応液中の水分濃度、メタノール濃度が反応速度に与える影響を調べ、ROLによるメタノリシス反応の基本モデルを確立した。リパーゼは、メタノールにより不可逆的に失活するので、高機能触媒として利用するためにはメタノール耐性の向上が必要不可欠である。そこで、エラー導入PCR法による変異導入、進化分子工学的手法を用いた選択により、リパーゼの機能改変を行い、安定性、メタノリシス活性の向上をはかった。
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