研究課題/領域番号 |
13555219
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70201621)
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研究分担者 |
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80252485)
人見 穣 京都大学, 工学研究科, 助手 (20335186)
船引 卓三 京都大学, 工学研究科, 教授 (70026061)
長井 康貴 株式会社豊田中央研究所, 触媒部, 副研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 光触媒 / 脱硝 / 酸化チタン / バナジウム酸化物 / 固定床流通系反応装置 / アンモニア / SCR / 可視光応答性 |
研究概要 |
セルフアセンブルな担持金属酸化物触媒を合成し、その光触媒性能の評価を行った。部分酸化能を調べるため、軽アルカンの光酸化、シクロヘキサンの液相光酸化を行ったところ、前者ではRb2O-V2O5/SiO2触媒が高い反応活性と可視光応答を示し、後者では、V2O5/Al2O3触媒が有効なことがわかった。酸化チタンは活性は高いものの選択性が低い。これらの触媒候補を用いて、標記低温アンモニア脱硝反応(アンモニアによるNOの接触選択還元SCR)に対する各種光触媒の評価試験を行った。反応は実条件を反映した固定床流通系反応装置にて行った。ここで言う実条件とは、GHSV=4000 h-1、NO、アンモニア各1000ppm、酸素2%のフィードのことである。部分酸化反応とは異なり、V2O5/Al2O3はほぼ不活性、Rb2O-V2O5/SiO2はNO転化率40%ということであったが、最も高い活性を示したの酸化チタンで、NO転化率80%を100時間にわたって達成した。これは、アンモニア脱硝が基本的には完全酸化反応であることによると考えられた。反応条件を変化させたり、赤外スペクトル、紫外可視スペクトルによる検討,吸着アンモニアのESRスペクトルなどから、反応機構として、(1)酸化チタンへのアンモニアの吸着、(2)アンモニアの光活性化、(3)NOの還元とともに酸化チタン活性サイトの部分還元、(4)酸素(NO)による活性サイトの再酸化が起こることを見いだした。酸素が存在しないときは、一酸化窒素がチタン還元イオンの再酸化剤となることがわかった。本触媒系のポイントは、中間体が吸着アンモニアから生じた吸着アミドラジカルであることであり、スピン状態の制限により、酸化窒素が優先的に還元されることがわかった。
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