研究課題/領域番号 |
13555221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
清水 康博 長崎大学, 生産科学研究科, 助教授 (20150518)
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研究分担者 |
沢田 明宏 三菱重工業(株), 先進技術研究センター・先進材料グループ, 主席
兵頭 健生 長崎大学, 工学部, 助手 (70295096)
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | マイクロ波誘起プラズマ / SiC多孔質焼結体 / 液相プラズマ / 大気圧気相プラズマ / ディーゼルパティキュレート / NO_x / 排ガス処理 / 環境浄化 |
研究概要 |
本研究では、下記の項目について検討し、それぞれ次のような成果を得た。 1.液相中でのマイクロ波誘起プラズマの制御と有害有機成分の分解 各種プラズマ誘起体を用い、純水、ジクロロ酢酸(DCAA)およびβ-ナフトール水溶液中でのプラズマの発生特性と有機物の分解特性を調べた。SiC焼結体片とカーボンブロックを水溶液中でのプラズマ誘起体に用いると、誘起体自体が一部分解して多量のCO_2が発生したDCAAの分解では、DCAAの転化率、分解生成物量および誘起体としての経時安定性も考慮すると、La_<0.8>Sr_<0.2>CoO_3が最も優れた誘起体であった。また、β-ナフトールの分解では、FeSiを誘起体に用いると、β-ナフトール転化率は短時間の内に100%に達し、CO_2の発生量が少なく、誘起体自体の結晶構造の変化も無く、水溶液中でのプラズマ誘起体として最も優れていた。 2.多孔質プラズマ誘起体の大気圧の気相中でのN_2プラズマ発生状態の制御とダイオキシン類似化合物の分解特性の向上 各種プラズマ誘起体を用い、ArおよびN_2ガス雰囲気中でのマイクロ波誘起プラズマの発生特性とモノクロロベンゼンの分解特性を調べた。Ar雰囲気中では、全ての誘起体からプラズマが安定に発生した。しかし、用いた誘起体の中では、多孔質SiC焼結体のみ、ArおよびN_2ガス雰囲気中でプラズマを安定に発生でき、モノクロロベンゼンを完全に分解できた。したがって、気相中でのSiCプラズマ誘起体としては、多孔体の形状が最も適していることがわかった。 3.マイクロ波誘起プラズマによるNO_xとディーゼルパティキュレートの同時除去効率の向上 大気圧の0.1%NO-10%O_2-N_2ガス流通下で、ディーゼルパティキュレート(DPM)を担持した多孔質SiC焼結体にマイクロ波を照射してプラズマを発生させ、マイクロ波出力と排ガス中のガス組成およびDPMの酸化挙動との関係を調べた。さらに、その後段に、1.0wt%Ir/TiO_2触媒層を設置した時の、NO_x除去効果も検討した。触媒層直前のガス組成を調べた結果、マイクロ波出力が大きくなるほど、NO_x生成は著しく減少し、逆にCO_2,COおよびH_2の発生量は増加した。また、触媒層通過後にはすべてのマイクロ波出力でNO_xを完全に抑制することができた。なお、実際の処理システムでは、プラズマ誘起体から成るフィルターでDPMをトラップし、その後段のNO_x吸蔵触媒でNO_xを吸着させ、フィルター部に周期的にマイクロ波を照射することによってDPMの酸化とNO_xの低減が可能になると考えられる。
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