研究概要 |
1)水素結合,静電的相互作用,配位結合,疎水結合などにより,アトラジンの6位の位置(塩素原子)付近に強い酸性基をもつ触媒活性モノマー,2位と4位のアミノ基付近に結合部位形成用モノマーがうまく空間的に配置されるような相互作用をモノマーと形成することのできる鋳型分子(アトラジンおよびその類似体)を経験および計算化学の手法を用いて検討したところ,6位にジスルフィド結合をもつアトラジン誘導体が鋳型分子として期待できることを見出した。 2)市販の分子シミュレーションソフトウェアを改良した新しい2分子ドッキングシミュレーションプログラムを開発し、コンピュータによるバーチャルコンビナトリアルライブラリの構築についての基礎検討を行った。 3)自動ポリマー合成・評価装置を用いたコンビナトリアル手法を利用して、カルボキシル基などの弱い酸をもつ結合部位形成のための結合用モノマーと,スルホン酸基やリン酸基など強い酸性基をもつ触媒反応のための触媒活性モノマーの混合比を変化させたところ,2対6の比で、スルフォエチルメタクリレートとメタクリル酸を混合したとき、最も選択性よく触媒活性発言することを見出した。また、このポリマーの触媒活性を評価したところ,均一形の触媒活性に比べて約10倍の触媒活性の向上が見られた。
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