研究課題/領域番号 |
13555231
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
木羽 信敏 山梨大学, 工学部, 教授 (20020505)
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研究分担者 |
浦 信夫 株式会社相馬光学, 代表取締役
谷 和江 山梨大学, 工学部, 助教授 (60115318)
山根 兵 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (10020405)
米澤 栄一 株式会社富士電機総合研究所, 機能デバイス研究所, 研究マネージャ
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キーワード | フロー法 / マイクロTAS / 化学発光 / 検出器 / 小型化 |
研究概要 |
下記の10工程でマイクロチップを作製した。1)シリコンウエハーへ貫通穴形成。2)熱酸化膜形成工程。3)表面レジストパターニング工程。4)酸化膜エッチング工程。5)Siエッチング工程。6)レジスト除去工程。7)熱酸化膜エッチング工程。8)チャネルへの電極用白金の電着工程。9)ガラス板の静電陽極接合工程。10)流入用、流出用コネクターの接着工程。マイクロチャネルは幅150μm、深さ20μm、長さ50cmのスパイラル形を作製した。また、これの簡易型として、各種内径の透明フューズドシリカキャピラリーをスパイラル状にしてフローセルとして利用する方法も検討した。キャピラリーの脆弱さのため、内径50μmで流路長25cmまでのフローセルを作成出来た。 市販化学発光検出器をμ-フローセル装着可能に改良し、光電子増倍管の前面にチップのガラス面を密着させて、μ-フローシステム用化学発光検出器として使用した。化学発光反応はペルオキシダーゼ(EC1.11.1.7)を触媒とする過酸化水素-ルミノール化学発光反応とアミノフェナンスレンを発光体とする過酸化水素-過シュウ酸エステル化学発光反応を検討した。 発光強度は、流速が増加すると拡散による試料ゾーンの広がりのため低下したが、全発光量(ピーク面積)は増加した。マイクロチップフローセルでは、試料量200nLの5x10^<-9>M過酸化水素を流速10μL/minで、分析速度315/hで測定できるμ-フローシステム用化学発光検出器の試作量成功した。また、キャピラリーフローセルでは、流路長が短く、滞留時間が少ないため、試料量200nLの10^<-8>Mの過酸化水素を流速25μL/minで、分析速度350/hで測定できるμ-フローシステム用化学発光検出器の試作に成功した。キャピラリーフローセルの場合、液漏れトラブルの発生の恐れが無いので、高流速での測定が可能であり、より迅速分析に適用できる検出器である。これらの検出器を用いて、過酸化水素を生成する酸化酵素反応を組み合わせて、微量な酸化酵素の基質フローインジェクション分析法による迅速定量を開発した。グルタミン酸、リシン及びヒスタミンの定量に応用した。
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