研究課題/領域番号 |
13555238
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (10274531)
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研究分担者 |
中原 毅 フィガロ技研(株), 開発部, 部長
酒井 剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (40284567)
山添 昇 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40037817)
荻野 薫 矢崎計器(株), ガス機器開発事業部, 部長
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キーワード | ガスセンサ / 二酸化炭素 / プレーナ型 / ナトリウムイオン導電体 / スクリーン印刷 / ガラス成分 / Nernst応答 / 水蒸気 |
研究概要 |
CO_2は地球温暖化の原因物質の一つであり、その濃度測定の重要性が広く認識されている。また、工場やオフィス、一般家屋における空気の汚れの監視、植物育成など、幅広い分野においてもCO_2の濃度計測が望まれている。本研究では、作製プロセスを単純化することを目的として、ゾル-ゲル法を用いたNASICON(Na_3Zr_2Si_2PO_<12>)厚膜をスクリーン印刷により形成し、プレーナ型センサ素子を作製した。ここでは、湿潤雰囲気下における応答特性の劣化を防ぐために、ガラス成分の添加や、スクリーン印刷時のペーストの探索によりNASICON厚膜の緻密化を試み、実環境中で測定可能なセンサ素子の作製方法と、その応答特性について検討を行った。 NASICON前駆体粉末からNASICON厚膜を形成した場合、厚膜は多孔質であり、乾燥雰囲気ではCO_2にNernst応答を示すものの、湿潤雰囲気下では、まったく応答しなかった。そこで、NASICON前駆体にガラス成分を添加することにより、NASICON厚膜の緻密化を検討した。ガラス成分の添加により湿潤雰囲気下での応答特性を向上させることはできたが、Nernst応答に従う理論的な反応電子数を得ることはできなかった。次に、NASICON粉末を予め作製し、これに有機系分散剤を混ぜ、スクリーン印刷することにより、NASICON単独でも、より緻密な厚膜が作製できることが明らかとなった。このセンサ素子は、湿潤雰囲気下において良好なCO_2応答特性を示すことから、プレーナ型CO_2センサ素子として有望であると考えられる。
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