研究課題/領域番号 |
13555240
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
細野 秀雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30157028)
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研究分担者 |
大登 正敬 昭和電線電覧(株), 研究開発部, 研究員
植田 和茂 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (70302982)
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キーワード | 光ファイバー / シリカガラス / 紫外ファイバー / ガラス |
研究概要 |
現在の光ファイバーはGeO_2をドープすることで光を閉じ込めて伝送している。GeO_2は250nm付近にかなり強い吸収をもつため、現在まで紫外域まで透明な光ファイバーは実現していない。本研究では、F_2レーザー用の光学材料として開発したフッ素ドープシリカガラスを母材として、深紫外域まで透明でかつ紫外レーザー光に耐性をもつファーバーを開発することを狙った。本年度の成果は以下のようにまとめられる。 1 真空紫外域の透明性を支配する要因を検討した。その結果、3/4員環構造のようなSi-O-Siの角度が最も安定な状態からずれた歪んだ結合が吸収端を支配していることを明らかにした。その歪んだ結合の濃度を減少せるには、高温の粘度を減少させることや転移域での熱処理が有効であることを見出した。 2 フッ素ドープシリカガラスを母材にもちいてファイバーを作成した。紡糸温度と速度を下げることで、250nmや210nm付近に吸収を与える欠陥の生成を抑制することでできた。ArFレーザーの発振波長である193nmで、1m長で透過率が60%のファイバーが得られた。 3 2で得られたファイバーにArFレーザーパルスを入射すると、容易に210nmと250nm付近に吸収帯が誘起されてしまった。これを抑制するために、水素ガスのローディング処理を行なったところ、顕著な効果がみられた。 4 6.8eV(182nm)に強い吸収を与える欠陥のオリジンを検討した結果、NBOHCである可能性が高いことを示す結果をPL測定で得た。これについては、引き続き検討する。
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