研究課題/領域番号 |
13555241
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今中 信人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30192503)
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研究分担者 |
黒岩 孝朗 株式会社山武, 研究開発本部, 次長(研究職)
増井 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00304006)
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キーワード | 化学センサ / 固体電解質 / 多価イオン / 窒素酸化物 / 塩素 / 炭酸ガス / アンモニア |
研究概要 |
本研究では実用的な炭酸ガスセンサの開発を目的に、種々の雰囲気中で安定なSc^<3+>イオン伝導体を用いた炭酸ガスセンサの開発を行った。Sc^<3+>イオン伝導体としては我々が開発したSc_2(WO_4)_3およびSc_<1/3>Zr_2(PO_4)_3を用い、また、センサ出力の酸素分圧依存性を除去するため酸化物イオン伝導体である安定化ジルコニアを合わせて用いた。さらに、検出極には希土類のオキシ炭酸塩と炭酸リチウムとの固溶体を用いたセンサを作製し、炭酸ガス検出特性を評価した。Sc_2(WO_4)_3およびSc_<1/3>Zr_2(PO_4)_3を用いたセンサは炭酸ガス濃度が変化するに従い、起電力値は変化し、濃度を元に戻すと起電力値も回復することから、可逆的な応答を示すことが明かとなった。また、応答に要する時間は1分半であったことから、迅速に炭酸ガスに応答していることがわかった。 また、水蒸気が存在する雰囲気中においても本センサは炭酸ガスにのみ応答しており、水蒸気の影響を受けないことがわかった。さらに、酸素、窒素酸化物のセンサ出力への影響を調べた結果、これらのガスの影響を全く受けず、炭酸ガスのみに応答しており、ガス選択性にも優れていることが明らかとなった。また、センサの長期安定性を調べた結果、測定開始直後からセンサ起電力に変化は認められず、長期安定性も有していることがわかった。
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