研究分担者 |
道又 融 アルプス電気(株), 磁気応用事業部第3技術部材料, 主任技師
小出 学 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10272866)
松下 和正 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80024610)
鈴木 憲一 ナミックス(株), 開発部, 統括部長
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研究概要 |
1.実用化試験評価 60Bi_2O_3-30B_2O_3-1OX(X=Li_2O,Na_20,CaO,SrO,BaO,ZnO,Al_2O_3,TiO_2,ZrO_2)系ガラスの耐水性評価を行った。その結果、耐水性は、TiO_2=ZrO_2>ZnO>Al_2O_3>Li_2O>CaO>SrO>Na_2O>BaOの順に高くなることが分かった。酸化ビスマス系ガラスにおいても、ケイ酸塩ガラスと同様に中間酸化物を添加することは、耐水性に対し効果があることが分かった。また、中間酸化物の中でもAl_2O_3を含んだガラスが最も耐水性が悪いことが分かった。この原因については、まだ、よく分かっていない。 2.基礎研究 (1)ガラス化範囲および熱的性質 Bi_2O3-B_2O3-TiO_2系およびBi_2O_3-B_2O_3-ZrO2系のガラス化範囲および熱的性質を調べた。ガラス化範囲は、Bi_2O_3-Bi_2O_3-ZrO_2系に比べBi_2O_3-Bi_2O_3-TiO_2系の方がかなり広いことが分かった。これらガラスのガラス転移温度(Tg)は、約350〜450℃であり、含有量が同じ場合、ZrO_2とTiO_2では差がなくほとんど同じであった。 (2)熱膨張係数 Bi_2O_3-B_2O_3-R_2O(R=Li,Na,K)系ガラスの熱膨張係数を測定した。その値は、約85〜130×10^<-7>(1/deg)の範囲であった。また、Bi_2O_3やR_2O成分が増加すると熱膨張係数が大きくなることが分かった。 3.界面反応機構解明 耐水試験後における60Bi_2O_3-30B_2O_3-10Na_2Oガラスの表面をEPMAを用いて分析した。その結果、ガラス表面にBi_2O_3が多い結晶が析出していることが観察された。また、粉末X線回折法による耐水試験後の反応生成物分析結果でも、Bi_2O_3結晶によるパターンが測定された。以上の結果より、酸化ビスマス系ガラスと水との反応では、水に不溶なが反応生成物としてガラス表面に析出することが分かった。
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