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2001 年度 実績報告書

ルテニウム錯体触媒を用いるポリカルボン酸誘導体の新合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13555246
研究機関京都大学

研究代表者

光藤 武明  京都大学, 工学研究科, 教授 (90026344)

研究分担者 和田 健司  京都大学, 工学研究科, 助手 (10243049)
近藤 輝幸  京都大学, 工学研究科, 助教授 (20211914)
キーワードルテニウム錯体触媒 / カルボニル化反応 / 二量化反応 / 炭素-炭素結合切断 / シクロプロペノン / ピロノピロン
研究概要

1. ルテニウム錯体触媒を用いるアセチレン類とアリルアルコール類との新規環化芳香族化反応:
当研究室ではこれまでに、低原子価ルテニウム錯体触媒を用いるアセチレン類とオレフィン類との環化([2+2]付加環化)および鎖状共二量化反応を開発し報告している。本研究ではさらに、反応性メタラサイクル錯体の一つであるルテナシクロペンテン中間体を経由する新合成反応の開発を目的として検討を行った。その結果Cp^*RuCl(cod)/PPh_3[Cp^*=pentamethylcyclopentadienyl, cod=1,5-cyclooctadiene]触媒存在下、アセチレンジカルボン酸ジメチル2分子とアリルアルコール類1分子との環化芳香族化反応が良好に進行し1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸誘導体が高収率で得られることを見出した。本反応は、芳香族ポリカルボン酸誘導体の新合成法である。
2. ルテニウム錯体触媒を用いるシクロプロペノン類の新規開環カルボニル化/二量化反応:
メタラサイクルは、環状化合物の金属への直接酸化的付加、低原子価遷移金属上での不飽和有機化合物の酸化的環化、シクロメタル化、メタセシス反応等、種々の方法で発生可能であり、その反応性は極めて興味深い。本研究では、申請者が最近見出した、いくつかのルテニウム錯体触媒に特徴的な接触的炭素-炭素結合切断反応において得られた知見を基に、分子内にカルボニル基と不飽和結合を併せ持ち、かつ適度な歪を有する環状化合物である「シクロプロペノン」類を基質に選び、そのカルボニルα-位炭素-炭素結合の活性化・切断による開環、生成したルテナシクロブテノン中間体への一酸化炭素の挿入、さらにもう1分子のシクロプロペノンとの反応による新規機能性有機分子「ピロノピロン」誘導体の触媒的新合成法の開発に成功した。ルテニウム錯体触媒としては、Ru_3(CO)_<12>/Et_3N触媒系が最も高い触媒活性を示し、シクロプロペノンの新規開環カルボニル化/二量化反応により、対応するピロノピロン誘導体が最高収率87%で得られた。新規化合物「ピロノピロン」は、同一分子内に不飽和結合と2つのエステル基を有する芳香族性を有する化合物であり、その物性および高分子材料モノマーとしての利用が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Take-aki Mitsudo: "Ruthenium Complex-Catalyzed Formation and Cleavage of Carbon-Carbon σ-Bonds. On the Requirement of Highly Qualified Tuning of the Reaction Conditions"Synlett. 3号. 309-321 (2001)

  • [文献書誌] Shigeyoshi Sakaki: "Participation of (η^3-Allyl) ruthenium (II) Complexes in C-C Bond Formation and C-C Bond Cleavage. A Theoretical Study"Organometallics. 20・14. 3145-3158 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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