研究概要 |
経年航空機構造の健全性回復という観点から,新機構造と同等の構造安全性と構造寿命を与える再新生のための補修技術開発が望まれている.本研究では経年航空機構造に生じた微小損傷を軽量でかつ高強度の繊維強化複合材パッチで補修し,ヘルスモニタリング機能を付与することによって,新機構造と同等の構造安全性と構造寿命を与える再新生補修技術を開発する.本年度は,4ヶ年計画の研究の最終年度であり,ひずみ計測センサーシステムの研究を完成させ,さらに仮想現実構造試験システムおよび補修効果同定システムについて総合的見地から検討・評価を行った. 1.ひずみ計測センサーシステムの研究 アルミニウム合金パッチの表面にひずみゲージを設置したひずみ計測センサーシステムに関するこれまでに得られた知見を基礎として,パッチ表面に多点のゲージ部を有するファイバーブラック格子(FBG)センサーを設置したひずみ計測センサーシステムを完成させた.さらに,このひずみ計測センサーシステムを用いて,パッチ表面での面内ひずみを計測し,被補修機体構造パネル内を進展した疲労き裂およびその進展に伴って生じた接着はく離の先端位置および先端形状の同定を行った結果,良好な同定結果が得られることを明らかにした. 2.総合的検討・評価 仮想現実構造試験システムおよび補修効果同定システムに関するこれまでに得られた成果について,実用性,有用性を含めた総合的見地から検討,評価を行い,今後の実用化における指標を提示した.
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