研究課題/領域番号 |
13555265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上條 謙二郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90282003)
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研究分担者 |
松本 洋一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60111473)
徳増 崇 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (10312662)
尾池 守 石巻専修大学, 理工学部・機械工学科, 教授 (70292282)
山田 仁 宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 極低温流体 / 混相流 / 管内不安定流動 / 熱力学的効果 / 気泡流モデル / ドリフトフラックスモデル / 過冷却状態 |
研究概要 |
本研究は、過冷却極低温流体の混相流動現象を工学的見地から熱・流動力学的に究明し、極低温機器の性能向上の際に問題となる混相流化に起因する振動現象や各種の不安定現象の解明に資するために、液体窒素などに代表される過冷却極低温流体の気液二相・混相流動現象を工学的見地から熱.流動力学的に検討することを目的とする。 本年度はまず理論的解析として、絞り部を通過する水平管内気液二相流に関して、軸対称近似を用い、非定常ドリフトフラックスモデルに基づく基礎方程式系を構築し、気液各相の相変化を考慮に入れた数値計算を行った。その結果、相変化現象が及ぼす液体窒素二相流動場への影響は、絞り部下流側に生成される後流渦の中心付近において、ボイド率の上昇を抑える効果となって現れるとともに、後流渦の発達抑制効果として作用することを明らかにした。さらに、絞り部下流側に生成される後流渦の発達に伴い、管壁付近において逆流領域が形成されることを確認した。 次に実験的研究として、前年度整備した過冷却極低温流体供試装置を用い、過冷却極低温流体の気液二相流動の可視化試験を行った。実験は定常試験と非定常試験の両方について行った。その結果、飽和状態のキャビテーション流れは比較的安定な挙動を示し、連続的な気泡群の発生が観察された。それに対し、過冷却状態のキャビテーション流れは非定常かつ不安定な挙動を示し、間欠的な気泡群の発生が観察された。 また極低温流体における熱力学的効果によるキャビテーション抑制効果は、流体温度が高く、流速が低い時ほど顕著に現れることが確認された。圧力計測結果より流体の温度が低いほど、レイノルズ数が高いほどキャビテーション数は低くなり、キャビテーションの発生しやすい状態に維持されていることがわかる。画像からもキャビテーション係数が同程度の画像を比較すると、飽和状態の場合にキャビテーションの規模が小さくなっていると言える.
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