研究課題/領域番号 |
13555266
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
尾池 守 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (70292282)
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研究分担者 |
吉田 誠 宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部, グループリーダ
山田 仁 宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部, グループリーダ
上條 謙二郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90282003)
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キーワード | ハイブリッド軸受 / 静圧軸受 / 極低温流体 / ロケットターボポンプ |
研究概要 |
本研究は、再使用型ロケットの実現に向けてロケット用高速ターボポンプの長寿命化を図るために、現在寿命制限要素となっている自己潤滑玉軸受に替わり得る静圧・動圧ハイブリッド軸受を試作し、その静的・動的特性を実験的、理論的に解明することで、実用化に際して生じる課題の抽出とその克服を目指す。 昨年度までに整備・改造を進めてきた流体潤滑軸受試験装置を用い、数値解析コードを用いて設計、試作した供試ハイブリッド軸受に対して、液体窒素を作動流体としたdn値300万(=60mm×50,000rpm)までの回転試験を行った。試験に際しては、一対の供試軸受で支持された軸系をガスタービンにより回転させ、所定の回転下で供試軸受間に設けた荷重負荷機構により鉛直下向きにラジアル荷重を加え、荷重に対する軸系の変位挙動から供試軸受の静的・動的特性を調べた。その結果、オリフィス自制絞り型リセスを有する供試ハイブリッド軸受では、オリフィス径が小さくリセス圧力比が低いと、回転数にかかわらず振幅が回転同期成分の数倍以上に達する自励振動が発生することが確認された。しかしながら、適切なオリフィス径を選定しリセス圧力比を0.2以上に設定することにより自励振動が抑制可能であることが分かった。 また、軸受弾性係数を中心に実験結果と試験条件に基づいて算出した数値解析結果とを比較し、軸受動特性に及ぼす回転数の影響を調べた。その結果、非圧縮性を仮定した数値解析コードでも実験結果と定量的に比較的よく一致する結果が得られことが分かり、その妥当性が確認された。さらに、液体窒素中で最大60,000rpmまで回転させることを想疋し、その稼働範囲内での各偏心率におけるクリテカル・マスの最小値が最大となるリセス形状を、本解析コードを用いて新たに設計した。その結果に基づいて現状供試軸受の改修を行い、動的安定性に優れた静圧・動圧ハイブリッド軸受を試作した。
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