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2003 年度 実績報告書

300Vバス衛星実現に向けた宇宙用高電圧太陽電池の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13555268
研究機関九州工業大学

研究代表者

趙 孟佑  九州工業大学, 工学部, 助教授 (60243333)

研究分担者 藤井 治久  奈良工業高等専門学校, 教授 (60370011)
國中 均  宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (60234465)
大塚 信也  九州工業大学, 工学部, 助手 (60315158)
キーワード宇宙 / 太陽電池アレイ / 高電圧 / 放電 / プラズマ
研究概要

本研究の目的は、低軌道プラズマ環境下でも安定して発電できる300Vバス電圧用太陽電池アレイの試作品を開発することである。まず、プラズマ環境試験を行うための地上試験設備を整備した。各種新規アイデアを盛り込んだ太陽電池アレイクーポンパネルについて、同試験設備で試験を実施した。最後に、最もトリガ放電抑制効果の高かったフィルムクーポンについて、宇宙実験に向けた予備的試験を行った。
フィルムクーポンは現在100Vバス衛星用に用いられている標準の太陽電池パネルの上に、ETFEフィルムを貼り付けたものである。フィルムによって、セル縁の露出した金属体をプラズマから隠し、その近傍での帯電を物理的に阻止することを目的としている。繰り返しのトリガ放電による性能劣化を30年間で1%に抑えるには25時間に一回程度にまで放電頻度を抑える必要がある。低軌道相当密度のプラズマに対して、フィルムクーポンを-400Vの電圧で総計28時間晒したが、一回も放電は発生しなかった。また-800Vでも3時間試験を行ったが、放電発生はなかった。
これらの試験結果に基づき、現時点で300Vバス用太陽電池アレイパネルとして想定されるデザインのポイントは以下の通りである。
・パドル構造はフレキシブルパネルとする。
・パネル一枚あたりに大きなETFEフィルム1枚を貼る。
・太陽電池アレイ回路のレイアウトは、負極側ができるだけパネル中央部に来るように配置する。
・バスバー部分とセル短辺方向にはRTVグラウティングを施す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 趙孟佑, 白石康, 豊田和弘, 匹田政幸: "低地球軌道用放電抑制型高電圧太陽電池アレイの基礎開発実験"日本航空宇宙学会論文誌. Vol.50,No.581,6月号. 215-222 (2002)

  • [文献書誌] 豊田和弘, 趙孟佑, 匹田政幸: "動画処理による真空環境下での太陽電池アレイ放電発生位置特定システムの開発"日本航空宇宙学会論文誌. Vol.51,No.589. 82-84 (2003)

  • [文献書誌] Mengu Cho, Raju Ramasamy, Kazuhiro Toyoda, Yukishige Nozaki, Masato Takahashi: "Laboratory Tests on Interaction Between 110V Solar Arrays and Ion Thruster Plasma"Journal of Spacecraft and Rocket. Vol.40,No.2. 221-229 (2003)

  • [文献書誌] Mengu Cho, Raju Ramasamy, Toshiaki Matusmoto, Kazuhiro Toyoda, Yukishige Nozaki, Masato Takahash: "Laboratory Tests on 110V Solar Arrays in a Simulated Geosynchronous Orbit Environment"Journal of Spacecraft and Rocket. Vol.40,No.2. 211-220 (2003)

  • [文献書誌] 松本敏明, 志方吉夫, 豊田和弘, 趙孟佑: "静止軌道プラズマ環境における太陽電池アレイ表面での放電プラズマの帯電電荷取り込み量の測定"電気学会論文誌A. Vol.123、12月号. 1217-1226 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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