研究概要 |
本研究の目的は、計算流体力学(CFD)に基づく形状最適化コードを,市販のCADソフトと融合させること,さらに,最適化ツールと船型CADおよびCFDコードの3体をネットワーク透過な形で統合化することである. 本年度(平成13年度)における研究の主眼は,まずローカルシステムとしてのCFD+CAD援用最適化システムを立ち上げることとした.具体的には,1台のサーバー上に以下のシステムを搭載し,性能を確認した. (1)SQP法およびGA法による非線形最適化システム(2)CFD船舶推進性能シミュレーションコード(3)CADソフト(NAPA)による船体形状生成システム(4)システム統合化モジュール 以上の結果,SQPおよびGAともに有効に機能し,目的関数の性質に合わせてそれらを選択できる本システムの有用性が確認できた.またCADとの結合もほぼ完成し,設計現場のデザイナーがルーチン的に行うような比較的簡単な形状変更に関しては全く支障がないことも分かった.より高度な形状変更の方法,およびその設定手法は次年度において詳細に検討する予定である.本年度は初年度であるので,システムの有効性を確認するために比較的簡単な問題,すなわち造波抵抗最小化を目指した船首改良のみを検討したが,次年度においては多目的最適化問題や,本研究の所期の目的であるネットワーク分散処理までを視野に入れたシステム拡張を行う予定である.
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