研究概要 |
本研究は,新妻らが試作に成功した地下弾性波計測用光干渉型マイクロ加速度センサを4成分組み合わせ,坑井内で弾性波の3次元粒子運動軌跡を検出可能な完全受動型地下弾性波検出器を開発することを目的として実施した。平成14年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)光干渉型マイクロ4成分弾性波検出器の製作 平成13年度の性能評価実験の結果を踏まえ,構造,方式上の間題点の解決を目指した。ここではセンサの感度および周波数特性を再検討し,センサの構造を決定するとともに,歩留まり向上のために,ガラス平板を用いたセンサ構造とそのためのプロセスを検討した。これらを用いてセンサを試作した。これにより仕様を満たすセンサを20個程度製作できた。 試作したセンサのうち最も静特性・動特性が優れたものを4個マウント部へ実装し,4成分弾性波検出器を実現した。本弾性波検出器の3次元粒子運動軌跡検出能力を実験室内で評価した。 4成分信号の多重化伝送システムを試作した。ここでは,LED光源と狭帯域光フィルタを用いたシステムを実現した。また,チャンネル間の感度の補正方法について検討した。 4成分弾性波検出器のアレイ化についてその具体的方法を検討した。 (2)光干渉型マイクロ弾性波検出器の性能評価 マイクロ弾性波検出器の性能評価試験を東北大学工学部内テストフィールドで実施した。これにより実坑井内での弾性波の検出性能4成分コヒーレンス解析およびスペクトル行列解析等の多成分弾性波信号処理法によりを評価した。また,センサのギャップ長の変化,センサのマウント部への固定方法,防水方法、坑井内への設置方法,回収方法等実用上の間題点を明らかにするとともに,その改善を図った。
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